映画という文化:レンズ越しの景色【Netflix】内容・見どころ・感想
12/6配信
『映画という文化:レンズ越しの景色』あらすじ
観る者を魅了し、混乱させ、そして挑発し、さらには人生まで変えてしまうのが映画の力。映画への大切な思いがさまざまな角度から語られる、映像エッセー集。 ・・・公式より
『映画という文化:レンズ越しの景色』1話感想
映画ファンに捧げる映画エッセー集『映画という文化』は、映画を愛し人生まで変えてしまった人たちが大切な思い出を語るドキュメンタリー作品です。これまでNetflixで公開されてきたドキュメンタリーといえば、“凶悪な事件”であったり“歴史”や“スポーツ”に関する作品が大半を占めている印象でした。そんな中で今回公開されたこの『映画という文化』は、ドキュメンタリーの中でも新感覚の内容。
1話『サメの夏』では、サーシャ・ストーンが10歳の頃に出会った”映画”という世界と”忘れられない日々”について語ります。サーシャが人生を振り返る時、思い出は眩いスクリーンの中にありました。
10歳の夏、6月20日に公開された映画は“ジョーズ”。ハリウッドの未来と当時の人々の人生を変えたこの作品に世界中が夢中になった1975年。誰もが原作を読み、予告の映像に怯え…そしてポスターを欲しがりました。サーシャが育ったトパンガギャニオンはカリフォルニアの自然豊かで自由な村で、子供に対する親の干渉はほとんどないという平和な場所。当時、感情を共有するSNSなどはもちろんなく、あるのは“空想する力”と“見上げる夜空”でした。
“不意のキス”にすらときめく純粋で真っ白な少女だったサーシャはこの夏、ある家庭の事情に頭を悩ませることになります。それは、母の彼氏の存在。突然言い出した「家を売る」という提案から始まり、度重なる母との激しい喧嘩。そしてサーシャへの虐待…サーシャにとって、この夏は憂鬱な夏でもあったのです。
そんな憂鬱な夏から唯一逃げられる方法は“ジョーズ”だけ。母にとって映画館への入場料は高額なものでしたが、サーシャは妹と共に毎日1枚チケットでひと夏に40回も作品を鑑賞しました。当時、地元に映画館はなくサーシャは車で30分の距離にある街まで通い“時が止まる”瞬間を感じていました。現実の時は動く…でも、この“ジョーズ”だけがアノ男を忘れ逃げる手段だったのです。
皆さんにも忘れられない映画や思い出深い作品がありますか?私はこの『映画という文化』を見た時、安易にも「私と同じ“ジョーズ”だ」と共感の念を抱いていました。しかし実際サーシャの経験した過去は、10歳という少女にはあまりにも辛いもの。それでも、回想に登場するサーシャは常に笑顔で、“映画”という文化に対して目を輝かせています。
そんな、心から映画を愛した人々が自身の思い出を語る『映画という文化』。2話ではどのようなエッセーを聞くことができるのでしょうか?タイトルは『復讐(ふくしゅう)の理論』と、少し不穏な空気を感じてしまいますが…1話あたり20分程度で深い内容を楽しむことができる『映画という文化』は、全ての映画ファンにオススメの作品です。
