この作品は中国の青春映画。なんかういういしいところが懐かしいです。どんな作品か楽しみです。
とあることがきっかけで受験に失敗したチェンは失敗を問われ、とっさに嘘をついてしまいます。そのことがきっかけとなり、事態は思いもよらぬ方向へ！元優等生のチェンと、学校でも人気のティックトッカーのユーシンが歩み出す道の先に、厳しい現実が待ち受ける。
円周率100桁以上の暗記！詩や教科書の暗唱！小学生から英語を学び、日本の教育の何倍もの学習量を幼い頃からこなすことでも有名な中国の教育事情。子供の教育に対して金に糸目は付けず、送り迎えや学習塾。転職や引っ越しさえも厭わない家庭が多い中国が『この夏の先には』の舞台。
そんな教育熱心な家庭に育ち、学校でも優秀な成績を収めていたチェンは大学共通試験の直前、母のパソコンに届いたメッセージを見つけます。娘を大切だと思う気持ちは同じでも、それが夫婦仲に比例するとは限らない…大切な日を前にそんな現実を知ってしまったチェンは自らプールに飛び込み、試験当日は痛々しい点滴姿で試験に臨みますが結果は不合格。理由を問い詰めた母に「失恋したから」と嘘をついてしまいます。
チェンがついたこの何気ない嘘に巻き込まれたのは、学校でもイケメンだと有名なティックトッカーのユーシン。初めは嘘をついたことに引け目を感じてユーシンを避けるチェンでしたが、二人の距離は徐々に縮まり絆は深まっていきます。
チェンが18歳を迎えた直後、ユーシンが連れてきたのは賑やかで華やかなクラブ。瞳を輝かせながら夢を語るユーシンとの間に温度差を感じるチェン、そしてすれ違う二人。18歳の誕生日…心に傷を負ったチェンに追い打ちをかけたのは、娘に不仲を隠し続けてきた両親が激しく言い争う姿でした。
若い二人が恋に家庭に悩み、立ち向かう姿。そして二人が導き出した答えとは？全てを知ってしまったあの日、チェンがとった行動の意味と衝撃のラストから目が離せない『この夏の先には』。激しいネオンと音楽、爽やかな若い二人には厳しくも重過ぎた現実が絶妙に絡み合う作品でした。内容がヘビーだったせいか、エンドロールに収録された撮影シーンが微笑ましく好印象ですので、二人のメッセージと共に最後までお楽しみください。